
双極性障害の当事者794人への双極はたらくラボに関するアンケート結果と活用
こんにちは。双極はたらくラボの松浦です。
昨年9月にアンケート「“双極性障害と働く”がテーマのWebメディアについて」を実施しました。ご協力いただいた皆さまには御礼申し上げます。
今回はその結果を振り返り、双極はたらくラボにどう反映したのかについてお伝えします。
回答者の属性
2020年9月9日~22日の13日間をかけてアンケートを実施しました。
主にTwitterを使って告知。双極性障害の当事者の方に限定した内容にも関わらず、回答者数は794人に及びました。

診断名は「双極性障害Ⅰ型」の方が9.3%(74人)、「双極性障害Ⅱ型」の方が63%(500人)。
双極性障害の発症に関する欧米での調査データ※(Ⅰ型が0.8%に対し、Ⅱ型を入れた双極性障害全体では2~3%)と比較すると、回答者におけるⅡ型の方の比率は、発症比率を大きく上回っており、Ⅱ型の方に強い関心を持っていただいたと考えられます。
また、Ⅰ型・Ⅱ型といった分類が不明な方の割合が19.4%で、未分類の方も想定した情報発信の必要性を実感する結果でした。
※参考文献 加藤忠史「双極性障害【第2版】ー双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療」(ちくま新書)
アンケートの結果
「働く」に関するコンテンツの興味について1:
双極性障害の方の働き方は「一般枠」への関心が高いが、「起業」「副業」への関心も一定数ある
双極はたらくラボのメインコンテンツと位置付けている「働く工夫レポート」。
私たちは「“双極性障害 転職”や“双極性障害 仕事”といった言葉でネット検索すると障害者雇用に関する記事が大半を占めるが、それ以外の選択肢について知りたい人も多いのではないか」という仮説をもっていました。
そこで興味のある働き方についてお尋ねしました。

回答いただいた方々が読みたいと思っているコンテンツの1位は「一般オープン(病気を開示して一般枠で働くこと)」に関するものが、2位は「一般クローズ(病気を開示せず一般枠で働くこと)」に関するものでした。この結果から私たちは「一般枠で働く方々のインタビューを積極的に行っていく」という方針を固めました。
また起業や副業に関心を示す方も一定数いたため、サイト内のコンテンツ全体のバランスを考えつつ、多様な働き方を取り上げていきたいと思います。
「働く」に関するコンテンツの興味について2:
雇用形態は「正社員」への関心が突出しているが、他の形態についても一定数の方が関心を持っている
双極性障害当事者の働き方や実践している工夫は「雇用形態」によっても変わってくると考えられます。そこで興味のある雇用形態について尋ねました。

結果は、「正社員」については80%以上の方が興味を持たれていることが分かりました。
一方で「契約社員」や「パートタイマー」については4割強の方が、またアルバイトや派遣社員は3割程度の方が関心を示されました。
この結果から、正社員の方の事例を中心に取り上げつつ、時には雇用形態を軸に対象の方を探してインタビューしていくと読者の関心に近いコンテンツを届けられるのではないかと考えています。
「働く」に関するコンテンツの興味について3:
コンテンツへの要望には「働き方の違い」「職場環境」「就労継続のヒント」といった仕事に関することに加え、仕事以外やコンテンツの形態に関する意見も
「”双極性障害での多様な働き方と工夫を伝えることで、自分らしく働く人を増やす”というテーマのWebメディアがあった場合、こんな記事やコンテンツがあるとよいというものがあれば記入ください」という、自由記述の項目に298件に及ぶ回答をいただきました。

マインドマップを用いて整理をしてみたところ「仕事に関する要望」「仕事以外に関する要望」「コンテンツの形態に関する要望」の3つに分類できました。
[仕事に関する要望(一部)]
- 働き方の違い
- 職場環境
- 就労継続のヒント
- データや事例
- 周囲への開示
- 求人情報
[仕事以外に関する要望(一部)]
- お金
- 家族
- 治療
- (家族以外の)サポート
- 対処
[コンテンツの形態に関する要望(一部)]
- 当事者同士の対談
- 読者の声を反映したコーナー
- 会社の人に読んでもらえるもの
これらの回答は私たちにとって、とても貴重な情報です。定期的に見返して、コンテンツの企画や制作に活用させていただきます。
デザインについて
Webサイトのデザインに関する設問は全部で13項目。その中でも双極はたらくラボを制作するにあたり実際に考慮した回答についてお伝えします。

文字サイズの基準を決定するために参考にした項目がこちらです。
ちなみに前問の「あなたが最もよく使うSNSはどれですか?」の1位はTwitter(84.5%)でした。
Twitterの文字サイズでも十分読まれているという結果から「Webサイトの文字サイズをむやみに大きくしない」という方針にしました。

Webサイト内でのコンテンツを検討する上で「関心がないもの」を尋ねると、「ランキング」が過半数を超えたため、双極はたらくラボでは掲載しないことにします。

「Webサイト内の検索窓は使われないのでは?」という仮設を立てていたのですが、66.7%の方が「使う」という結果だったため、設置することに決定しました。

双極はたらくラボのコンテンツは、漫画やイラストの入ったインタビュー記事が多くなる予定ですが、読者にとって見やすいのか不安がありました。
このアンケートの結果から、写真よりもイラストを支持する方が多いことが分かり、方針を変えずに公開準備をすすめることができました。
今後について
以上の結果を参考に、双極はたらくラボは完成しました。
今後も定期的にアンケートを実施し、1つのコンテンツとして発信していきますので、引き続きご協力のほどよろしくお願いします。
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双極はたらくラボ編集長/精神保健福祉士/公認心理師
1982年島根県生まれ。21歳の時に双極性障害を発症。20代で転職3回休職4回を経て、リヴァの社会復帰サービスを利用。のち、2012年に同社入社(現職での休職0回)。 一児の父。