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双極はたらくラボの編集部は3名で構成されており、全員が双極性障害の当事者。「編集ゆるトーク」は、あるテーマについて3名それぞれが思うところを自由に語り合う企画です。今回のテーマは有名人が双極性障害を公表すること。
気軽に読んでいただけたら嬉しいです。
さんご
何回か転職して今の会社は14年目。2014年に初めて休職し、2018年に双極性障害と診断。(働く工夫レポート協力者)
ひとこと よく行くところは映画館、美術館、図書館で、国内外の旅行も好きです。今は自粛中のため、代わりに散歩をしまくっています。
事務の人
転職や起業などを経て現在は株式会社リヴァで勤務。2007年に初めて休職し、2012年に双極性障害と診断。
ひとこと 趣味は野球観戦、読書です。コロナ禍を機に散歩の範囲を広げたところ、最高に相性のいい書店を発見。今は通い詰めています。
松浦
21歳の時に双極性障害を発症。20代で転職3回休職4回を経て、リヴァの社会復帰サービスを利用。のち、2012年に同社入社。
ひとこと 定期的に料理を作りたくなる衝動がわき、最近は息子の5歳の誕生日にホールケーキを作りました。
最初のテーマは「有名人が双極性障害を公表すること」についてですが、双極性障害の有名人と言えば、誰が思い浮かびますか?
双極性障害という切り口の話ではありませんが「ゴッホが双極性障害の疑いがあるといわれると、確かに納得」と読みながら思いましたね。
ゴッホは活動的なときと、引きこもりに近い状況を、何度か繰り返しています。同じ画家であるゴーギャンとの言い争いの末、衝動的に耳を切るように、何かのきっかけで不可解なことをしてしまう人だったようです。
原田マハさんの小説を読んでいると、葛藤と憂鬱を繰り返していたんだなと思いました。
小説を読んだのは、ご自身が双極性障害の診断を受けた後ですか?
はい。ただ、自分の症状がひどかったのは読んだ時より昔なので、読みながらしんどくなるようなことはありませんでしたね。
さんごさんは双極性障害の有名人についてどう思いますか?
本当にその人が双極性障害かどうか、不正確な情報が多いと思いますね。
噂レベルの内容が多くて、本人が公表した形跡もないのに「双極性障害と言われています」と不正確な情報で語られている人たちがたくさんいます。
情報を鵜呑みにしない目を持つことが大事ですね。自分も当事者として、間違った情報によって周囲の人から誤解されるのは嫌です。
自分がされて嫌なことを有名人に対してするような、レッテル貼りみたいなことはしたくありません。
双極性障害の有名人だと、話題に出た北杜夫さんや絲山秋子さんなどの作家が思い浮かびます。
北さんの場合はご自身もお医者さんですし、双極性障害を自覚して本を書いています。
私達が生まれる前に当事者による本が出版されていたのは、ありがたいですよね。
貴重なコンテンツだと思います。
松浦さんはどうです?
芸能人の情報をチェックしていました。最初に読んだのが、確かマライア・キャリーさんの記事です。
遠い存在の芸能人である彼女が公表してくれると、親近感がわきますよね。
ただ、ニュースはすぐに流れてしまうから、芸能人の公表によって病気の理解が広まるのは難しい印象です。
登録者数が何十万人以上のユーチューバーの方々が、ある日突然、双極性障害を公表することがあります。
動画で公表する時には「躁うつ病」と表現する方が多いです。双極性障害というワードだと伝わりづらいのかもしれませんね。
また、芸能人の公開記事だと書き手によって情報が割愛されてしまう場合もありますが、インフルエンサーの方は、自らの判断で記事や動画を作成できますよね。
そのため、今まで知られていなかった双極性障害の実際の情報が伝わりやすい。彼らの発信が伝われば、双極性障害がより正確に認知される可能性はあるかもしれません。
最近は、障害をオープンにする人が増えつつある流れを感じますね。「絶対隠さないといけないもの」という風潮が変わってきたのではないかなと。
僕が好きな野球チーム「千葉ロッテマリーンズ」の永野将司選手は、広場恐怖症であることを公表しています。
広場恐怖症という名前ですが、永野選手の場合は電車や新幹線など、密閉された降りられない乗り物に乗るとパニック症状が出てしまいます。
永野選手が所属するパ・リーグは北海道から博多まで球団があるのですが、永野選手は飛行機や新幹線での移動が難しく、遠征できないところもあります。
でも、障害を理解してもらった上で、選手として契約されています。
本人がカミングアウトした当初は、世間からは「全国へ遠征に行けないピッチャーを指名してどうする」と批判されました。
パ・リーグでは関東に2球団と仙台に1球団あり、これらの球団には自分で運転する車で移動ができることが分かりました。これにより、全試合の半分以上に出られることが分かったんです。
配慮してもらえれば活躍できることは「受け入れられている」ということだと思います。
パニック障害のイメージから永野選手は「人に注目されるとパニックになるのでは」と思われていました。
実際は、広い場所で注目されることは平気で電車や飛行機での移動ができないだけ。自家用車での移動はできるんです。
自分でコントロールできるものは平気なんですよね。
はい。こういった公表により「こう思っていたけど違う」と、障害への誤解がなくなるといいですね。
公表は、プラスのイメージがつくことばかりじゃないはず。でも、少しずつ病気の詳細が知られていくのはいいことです。
双極性障害をよく知らない場合、攻撃的になる病気というイメージを持つ方もいますしね。
『ちょっとのコツでうまくいく! 躁うつの波と付き合いながら働く方法』
を2024年9月27日(金)に発売します。
双極症での働き方に悩む方へのヒントが詰まった一冊です。ぜひお手にとってご覧ください。
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株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 精神保健福祉士・公認心理師・産業カウンセラー試験合格
大学で臨床心理学を専攻後、一般企業に就職。その後、精神保健福祉士の資格を取得して都内のクリニックに勤務。また、公的機関での勤務経験も持つ。株式会社リヴァ入社後は、復職支援と再就職支援の両方の施設での勤務を経験している。