双極性障害と付き合いながら働く方々の仕事や困りごと、働く工夫をコンパクトにまとめてお届けする「はたらく工夫 #ショート 」。
今回はゲームなどのシナリオライターをされている、深雪さんです。
プロフィール 深雪
・36歳女性
・在宅勤務でフリーランス、専業でゲームなどのシナリオライターを3年
ゲームなどのシナリオライターを専業でやって3年目です。
具体的には、クライアントの要望や資料を元に、作品のストーリーやキャラクターのセリフを作る仕事です。内容は案件によって様々です。
在宅勤務のフリーランスで、日々の業務時間は自らで決めています。
高校を卒業後、声優を目指して養成所に入所しました。21歳で声優としてデビューしましたが収入は厳しく、生活のためにアルバイトも掛け持ちをしました。アルバイトは数年おきに変えていて、コンビニ店員、洋食店のホールスタッフ、雀荘のホールスタッフなど。
発症は舞台を自主企画した時のことがキッカケでした。企画を進める中で気力と体力が落ちてきて、東日本大震災も重なって気分はどん底へ。この時に双極性障害と診断されましたが、最初は受容できませんでした。25歳の時でしたね。
症状による体力と思考力の低下や呼吸が難しくなったこともあり、声優の仕事は事務所と相談の上、辞めることになりました。その後はしばらくアルバイト生活でした。病気をオープンにして面接を受けることが多かったのですが、ほとんどの職場で気にせず受け入れてもらえました。
本当なら数カ月は休んだほうがいい状態だったと思いますが、その頃は自立支援医療制度の存在を知らず、通院するためにも働かなければと必死でした。(後に『双極ワーク』に参加した際、他の当事者の方から自立支援医療制度について教えてもらいました。)
その後、声優時代にお世話になっていた方から「書く仕事があるけど」とライター業務を紹介されました。経験はなかったので、パソコンを買ってタイピングを練習するところから始めました。
その後に運良く仕事が繋がっていき、兼業で数年続けた頃にアルバイト先が閉店したこともあって、「出来るところまでやるか」と考え、専業になりました。
声優時代はいろいろなことを気にして、メンタルの調子は良くありませんでした。今思うと、自分が「人が苦手」ということに気付かず、アルバイトで接客業ばかりしていたのもマイナス要素だったかもしれません。
現在の仕事は、一人で黙々と働けるところが向いてると感じています。また、不調な日があっても、期限内にきちんとした原稿を提出すれば誰にも迷惑がかからないというのも良い面です。
収入は厳しいですが、睡眠時間や休憩時間を含め、自分でスケジュールを決められるところも合っていますね。
・歩合制のため、無理のないスケジュールにすると収入が少なくなる
・一度受けた仕事は、誰かと分担したり手伝ってもらうことが難しい
・コミュニケーションが苦手だが、フリーランスなので自分で営業しなければいけない
・在宅の仕事で勤務時間も決まっていないため、オンオフの切り替えが難しい
・取引先に双極性障害であることをオープンにする
万が一、自分の状態が悪くなった時に説明や相談するために事前に開示してますが、現在の仕事相手の方は持病があっても全く気にしない方が多いです。
また、オープンにしていると、気にする方は向こうから避けてくれるので、病気のことで問題が起きづらいです。
・可能な仕事量を把握して無理に受けない
調子が良いときにできる量を実力だと勘違いせず、無理なスケジュールの仕事は引き受けないようにしてます。この姿勢は取引先への印象はあまり良くないかもしれませんが、迷惑をかけるよりは良いと割り切っています。
・日々の仕事量をホワイトボードにメモし月末に撮影して保存
一年のうち、どの時期に作業効率が下がるかが分かります。見直して気づいたのは季節の変わり目や、暑すぎる時や寒すぎる時ですね。
また時間をかけすぎた業務がどれかの反省などもできます。
うつ期に入り、「自分には何もできない」と絶望し始めたときに記録を見ると、「結構できてるじゃん」と思い直せるのも有り難いです。
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