
うつになり始めの対処法と長期休暇の過ごし方 30代男性/就労中/双極性障害【双極ワークのなかみ】
双極ワーク(「双極性障害」と「働く(ワーク)」についてゆるりとトークをする会)にて、実際にあった双極性障害の方同士のやりとりの一部をお届けする「双極ワークのなかみ」。
相談者の悩みに対し「自分だったら?」と回答をイメージしながら、参加者の1人になったつもりで読み進めると更に楽しんでいただけるかと思います。
※個人情報に配慮し、内容は一部改変しています

[相談者Mさん] 30代男性 就労中 双極性障害
「うつになり始めの対処法、長期休暇の過ごし方」が
話したいテーマです。

有給を取ったり長期休暇も気を付けていたんですけど、また調子を崩していて。
「これしてるよ」っていう方法があれば聞きたくて。よろしくお願いします。
とりあえず、頓服を飲むのとすぐ布団に入るようにしています。
気分が落ちると持ち直すのに時間がかかるので、落ち込みに合わせてひたすら休む。そのまま沈んでいると、時間が経てばふわっと上がって来る感じがしています。
なので、私の場合は布団の中で横になってシャットアウトですね。

私もうつになり始めは無理しないですね。眠いときに寝るし、眠くなくても寝ておく。
私の場合は睡眠を取るのが大事なので、しっかり寝る。
長期休暇の過ごし方は、ただの土日の延長と考え、あんまり特別感なく過ごせたらいいのではと思います。

僕はフリーで仕事をしているので、そんなに長期休暇はないんですけど。
長期休暇でも、普段と同じ時間になるべく起きる。休みでも昼まで寝ないようにスーパー銭湯へ朝風呂に行く、みたいな楽しくてゆるい予定を入れるとかでしょうか。


うつ傾向があるときは昼まで寝ませんか?
寝てしまいますね。
うつになり始めのときの長期休暇の過ごし方で言うと、二度寝したとしても1時間くらいまでと決めています。
普段朝7時に起きているのであれば、8時までは許すとかですね。


若いときは、寝れば寝るほど回復していたような気がするんです。ガ―っと寝て、反動で躁的に元気になるみたいな波になっていたんですけど。
今は寝てもうつに気分が持っていかれるだけなので、これは年齢の関係もあるのかなって感じますね。
発言してもいいですか?
加藤忠史先生のある書籍※1.で「双極性障害のうつ状態では過眠が多くみられる」という調査結果が載っているんです。
また、双極性障害の心理教育に関する本※2.では、うつが疑われる時の対応として「睡眠は最大8時間。これ以上寝るとうつが悪化することがある」と記載されていて。
それらも踏まえてですが、皆さんと違って私はうつのなり始めにあえて動くようにしています。
気分は落ちているけど身体は動くっていう状態が私にはあって。その時に気分に負けて身体を横にすると、そのまま寝てしまって仕事を休んだという経験があります。そのパターンでは、罪悪感からうつが悪化すると感じています。
気分に流されずどう行動するかという取り組みを、うつのなり始めにやりますね。
できるだけ会社を休まないとか、午前だけは出社するとか。
気分の落ち込みに流されず行動するのは難しいですけど、流れを断つためにやっていることは日々のルーティーンを淡々とやるというか。「嫌だな」と思ってもとりあえず外に出るということでしょうか。


私は逆で、気持ちはまだ行けるけど身体が疲れてくるって感じなんですよ。
もしかしたら、身体もずっと緊張状態なのかもしれないですね。
私は身体が硬直して寝ているときがあって、歯ぎしりもひどかったので今はマウスピースをして寝ていますね。


確かに、昔は頭痛がひどかったです。歯ぎしりで噛みしめるから痛くなっていると思うんですけど。
最近はだいぶ軽減したかな。カイロプラクティックで身体の調整をしてもらって、良くはなっています。
自分は別方向からなんですけど。
うつになり始めで不安や緊張を感じているときに、リラックスするようなアロマの香りを嗅いで寝ると、しっかり睡眠が取れてちょっとうつが軽くなるときがあったりします。
あと、長期休暇はうつになりやすいのでルーティーンを崩さないように過ごしています。

松浦さんの意見との折衷案で、寝る事以外で肉体的な疲労を取るなら、さっきも言いましたが自分の家のお風呂じゃなくて近くの銭湯などに行って肉体的な疲労を取るとかでしょうか。
銭湯まで歩いて行って湯船につかって疲労を取っているので「自分で労ったな」という満足感が出ると思うんですよね。


長期休暇に特別感を持たないっていうのは有りですね。
私は「休暇が終わるまで、あと何日」と計算して活動を計画するところがあって、そうやって普通の土日と変わらない意識を持つといいのかなって思いました。
あと家の近くが●●温泉(有名な温泉地)なので(笑)、行ってみたいと思います。
それはうらやましい(笑)。

いかがでしたでしょうか?
双極性障害の当事者の方同士のやりとりから「働くヒント」を見つけてもらえたら嬉しいです。
※1.加藤忠史『双極性障害 第3版: 病態の理解から治療戦略まで』(医学書院,2019)
※2.秋山 剛,尾崎 紀夫『双極性障害の心理教育マニュアルー患者に何を、どう伝えるか』(医学書院,2012)
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双極はたらくラボ編集長/精神保健福祉士/公認心理師
1982年島根県生まれ。21歳の時に双極性障害を発症。20代で転職3回休職4回を経て、リヴァの社会復帰サービスを利用。のち、2012年に同社入社(現職での休職0回)。 一児の父。