双極症の学生に聞いた「お金を使いすぎる時の対処法」【U25座談会:番外編】

公開日: 2024.7.5
最終更新日: 2024.8.9

双極症(双極性障害)の悩みで多い、躁・軽躁状態でのお金の浪費。

「次々とポチポチ…気づけばとんでもない金額になっていた」
「買ったはいいけど、結局使わないものばかり…」

ついお金を使ってしまい、後になって困ってしまうという方も少なくありません。

今回は、双極症の学生が集まり対話したオンライン座談会で、お金にまつわる話がテーマに上がったので、番外編としてまとめました。

双極症の学生は、どう考えて対処しているのでしょうか。

▶座談会本編はこちら

※本記事の情報は2024年3月15日時点のものです

参加者プロフィール

きりゅー
双極症Ⅰ型。大学3年生・24歳。2020年に双極症の診断を受ける。現在就活中。
過去行ったアルバイト:塾講師・ホテルスタッフなど

なべし
双極症Ⅱ型。大学3年生・23歳。2020年に双極症の診断を受ける。現在就活中。
過去行ったアルバイト:塾講師

ふうか
双極症Ⅱ型。美容学生・24歳。2022年に双極症の診断を受ける。美容学校を3月末に退学。
過去行ったアルバイト:アパレルなど

りゅう
双極症Ⅱ型。大学2年生・23歳。中学1年生の時に双極症の診断を受ける。大学を3月末に退学。
過去行ったアルバイト:工場での派遣・スポーツバー・塾講師・ラーメン屋など

お金を親や信頼できる人に管理してもらう

りゅう(大2)双極症の症状で1番困っているのは、 ちょっと気分が上がった時に浪費をしてしまうことなんですね。ストレスをうまく管理できなくて、イライラしたり頑張りすぎて無理して疲れた後とか、気分が良いときとか、勢いでお金を使ってしまう。ギリギリ何とかなっていますが、金額が半端じゃないので、コントロールしていく必要があると思っています。

皆さんもそういう症状があるのか、もしある場合はどんな対処法をしているのかを教えていただきたいです。

ふうか(美容学生):私も軽躁状態というか、ちょっとイライラした時に使いがちで、貯めることが難しくって。だから、周りに管理してもらうのも、1つの手かなと思っています。

私の場合は、親に管理してもらっていて、「ちょっと使い過ぎてるから、どうやったら抑えられるか」「こうした方がいいかもね」みたいなことを一緒に話したりもします。親じゃなくても、信頼できる人がいたら、そういう人でもいいですよね。

ただカードや通帳は一応自分も使える状態なので、使っちゃう時は使っちゃう。そこを今後どうしていくかが課題です。まだ解決はできてないですが、使ってから気づくことが多いので、その前に気づいて防げるようになったらいいなと思います。

ネット銀行の口座を親と連携し衝動買いを防止

なべし(大3):僕はネット銀行を使っていて、口座にいくら入っているか親が見られる状態にしていています。例えば、コンビニで何かを買ったときに、親に通知が行く。完全に散財することを抑えにかかっていますね。

1回軽躁になっている時に、留学したくなって、マレーシアに行ったことがあるんです。その時は、 歯止めが利かなくて、いらない本とか服をたくさん買ってしまって。

りゅう(大2):分かります。

なべし(大3):クレジットカードを持ってたんですけど、どのくらい使ったかすぐには見えないし、残高以上に使えてしまう。それが良くないなと思って、デビットカードを使うようになりました。使ったら即引き落としされるし、何か買ったらすぐに自分と親に通知が行く状態なので、お金遣いに関してはしばらく落ち着いていますね。

デビットカード:買物をした瞬間に、銀行口座から代金が引き落とされるので、残高以上に使えない
クレジットカード:買物をした月の翌月以降に、まとめて代金が引き落とされる。引き落とし口座の残高に関係なく、利用限度額まで使用可能

りゅう(大2):いいですね。全然知らない情報だったので、 ありがたいです。時代が進んでるなと思いますね(笑)。

なべし(大3):親に通知がいくので、例えば少し金額の大きい買い物をしたら、「これ何?」みたいな感じでLINEがくるんですよ。そうなると、説明できないものが買えない。もちろん説明はするんですけど、「気をつけなきゃな」っていう自制心が働きます。

りゅう(大2):衝動的に替えなくなるシステムというか、買えなくはないけど、買いにくくはなりますよね。

なべし(大3):ですね。「やばい、説明できない!」となったら困るので(笑)。

お金遣いのセーブができていないということを把握する

きりゅー(大3):躁状態のときにお金遣いが荒くなるというのは、すごい共感できます。

僕は、見える化することを大事にしていて。Moneytree(マネーツリー)っていうアプリを使ってるんですが、そこにクレジットカードとか、ICカードの情報を登録しておくと、勝手に紐づいて明細が出るようになるんですね。それで、月にいくら使ったのかを定点観測。

毎週カウンセリングに通っているので、カウンセリングの先生と一緒に、「今週はこれだけ使ったね」っていう確認をしています。なべしさんほど厳しくはないですけどね。

今、ちょっと上がり気味で、先月の金額を見たらちょっと大変なことになっていました(笑)。お小遣いとバイトをしていた時の貯金でやりくりしているんですけど、先月は13万ぐらい使っていますね…。

りゅう(大2):リアル(笑)。

きりゅー(大3):なので全然セーブできてないんですけど、見える化しているので、セーブできてないということを把握できるんです。それが、自分の状態を測る1つのバロメーターになっています。

「使う金額が多い=躁状態」ではなくて、出費の状況や話している雰囲気とかも含めて総合的に判断してもらっています。今は、散財に対して「元々君の性格なんじゃないの」と言われていますが。

【監修:二宮ひとみ(臨床心理士・公認心理師)】

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